2017年6月11日日曜日

バブルの罠

「株式投資の未来」の第2部で、シーゲル教授はバブルについて述べている。この中でバブルの兆候として以下のようなパターンを挙げている。

  • マスコミがさかんに取り上げ、報道ぶりが過熱する。
  • 業容や社名を理由に、利益がでていなくても、売上さえろくに立っていなくても、異常な高値がつく。
  • 世の中が変わったのだから、こうした企業の価値は従来の物差しでは測れないと、皆が言い始める。
  • 未来の企業、未来のテクノロジーと擁されるものは、たいていの場合、誇大宣伝され、過大評価される。

投資家への5つの教訓

  1. バリュエーションはいつも重要
    一つの目安として、株価収益率(PERまたはP/E)が市場平均を大幅に上回る銘柄は避ける。
  2. 買った銘柄に惚れ込んではいけない
    ファンダメンタルズに照らして株価が高すぎると判断すればさっさと売る。
  3. 時価総額が大きく、知名度の低い銘柄は要注意
    ほとんど誰も知らない会社にとんでもない高値がつくのはバブルの兆候。
  4. 3桁のPERは避ける
    株価収益率(PER)が100倍を超える場合はバブルの可能性が高い。
  5. バブルで空売りは禁物
    株価が100%間違いなく過大評価といえる局面は確かにあるが、長期的に正しいからといって、短期的にもそうなるとは限らない。
シーゲル教授は投資家への奨めとして、最後に以下のように述べている。
次の点を、よく肝に銘じてほしい。バリュエーションは、どんなときも重要だ。これだけはバブルであってもなくても変わりない。成長株にはいくらでも支払う値打ちがあると考えるなら、いずれ市場からお灸を据えられる
長期投資では期間が長期になればなるほど購入タイミングを気にする必要はない、という主張をよく耳にする。 しかしながら、「購入タイミングを気にしない」=「バリュエーションを気にしない」ということになりかねない。 「購入タイミングを気にしなくてもよい」という思想は極端な考え方であると思うので、今後はバリュエーションに関する調査にも力を入れていくことにする。

先達の言葉

そこそこの企業を素晴らしい価格で買うより、素晴らしい企業をそこそこの価格で買うことの方がはるかに良い。
ウォーレン・バフェット

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